大阪を中心にオンラインでお仕事をしている
心が整うお部屋スタイリストの櫻井 あつこです。
私は二級建築士、インテリアコーディネーター、そして空間デザイン心理士®の資格を持ちながら、現在フリーランスで活動しています。
お部屋づくりや空間デザインに携わる仕事に長年従事してきましたが、最近では特に「心が整うお部屋づくり」をテーマに、インテリアの提案を行っています。
この記事では、私がどのようにしてインテリアの世界に興味を持ち、これまでのキャリアや学びを通じてどんな経験をしてきたのか、そして今後どのようなビジョンを持って活動していきたいかをお話ししたいと思います。
ちょっと長くなりますが、最後までご覧いただけると嬉しいです。
目次
子供の頃の小さな「ワクワク」が今の仕事に
私がインテリアに興味を持ったのは、実は子供のころのちょっとした体験がきっかけでした。
当時、自分の部屋にあった家具を動かしてみたときのことをよく覚えています。
カラーボックスの向きや位置を少し変えるだけで、まるで新しい部屋に引っ越してきたかのような気分になったんです。
その瞬間、「少しの変化でこんなにワクワクするのってすごい!」と子供心に感じて、それ以来、インテリアや空間づくりに対する興味が芽生えました。
ただ、当時の私は図工や美術は真ん中の成績で、美的センスは平々凡々という自己評価。
「センスが良い」とか「アイデアマン」といったタイプではなく、どちらかというと実用的な方面に興味を持ちました。
インテリアデザインに関連した仕事をしたいと思いながらも、自分に自信が持てなかった私は、まずはインテリアよりも深く空間について学びたいと考え、建築が学べる学校に進学しました。
初めての就職は住宅会社で、設計から現場監理までトータルに経験
大学を卒業して、最初に就職したのは福岡の住宅会社。
ここでは、住宅の設計からインテリアコーディネート、さらには現場監理まで、住まいづくりの全体に携わることができました。
最初の1年間は研修の一環で、グループ会社を回りながら営業も経験。
これが、今振り返ると本当に良い学びでした。
設計課に配属されてからは、土地契約が終わったお客様に対して、住まいの設計や内装の提案を行い、最終的な引き渡しまでのプロセスをサポートしました。
この経験を通じて、住まいづくりの楽しさや、何よりお客様が満足して喜んでくださる瞬間の喜びを感じました。
自分の手で作り上げた空間が、誰かの生活に大きな影響を与えることができる——その実感が私の仕事に対するモチベーションとなっています。
この会社では約6年間働き、その後は地元に戻り、1年間フリーランスのインテリアコーディネーターとして活動しました。地元では、大手ハウスメーカーのインテリアコーディネーターとしても経験を積み、住宅設計だけでなく、インテリアに特化したコーディネートの奥深さにも魅了されるようになりました。
住まい以外の空間にもチャレンジ!病院や福祉施設のデザイン
住まいだけでなく、もっと幅広い空間デザインに携わりたいという思いから、次のステップとして大阪の会社に転職しました。
ここでは、病院や福祉施設の内装デザインやインテリアコーディネートを担当しました。
医療施設や福祉施設は、住まいとは異なる独特のニーズを持っていますが、それだけにやりがいも大きかったです。
特に印象的だったのは、ある病院の改修プロジェクトに関わったときのことです。
改修工事中に現場を訪れていた際、通院されていた患者さんが「今日で通院は終わりなんだけど、こんなにきれいなお部屋ができるならちょっと残念だわ。」とおっしゃったんです。
本来、通院が終わることは喜ばしいことですが、それを聞いたとき
「空間が変わることで、人の心にも変化が生まれるんだ」と強く感じました。
空間は単に「場所」ではなく、人の心や気持ちにまで影響を与えるものなのだと、この経験を通じて改めて実感しました。
このように、病院や福祉施設のデザインに携わることで、空間が人に与える影響の大きさを改めて感じました。そして、この経験が私が「空間デザイン心理学®」に興味を持つきっかけの一つにもなりました。
空間デザイン心理学®を学ぶきっかけ
私が「空間デザイン心理学®」に興味を持ったのは、1社目で働いていた6年間の間に、3度の引っ越しを経験したことが大きなきっかけです。
引っ越しはその土地に縁もゆかりもない場所での就職だったため、新しい環境に慣れるのは大変でした。
しかも、仕事が忙しくなるにつれて、心にも時間にも余裕がなくなり、家はただの「寝るための場所」と化していました。
もともと片付けが苦手だった私は、部屋が散らかっていく一方で、週末に必死に片付けてもまたすぐに元通り。
その繰り返しにストレスを感じるようになり、次第に家にいる時間を避けるようになりました。
部屋の状態が悪くなると、心もなんだか重たくなる——まさに「部屋は心を映す鏡」という言葉を身をもって体験しました。
この心のモヤモヤや仕事からのストレスをどうにかしたくて、自己啓発本を読み漁っても
『ポジティブ思考で物事をとらえる』
『感謝の気持ちを大切に』
これらができない今の私はダメなんだ・・・とさらにストレスになりまさに負のスパイラルに陥っていました。
そんなある日「逆に部屋を整えれば、心も整うかも?」と思い立ちました。
いつもなら、物を隠すように片付けていたのですが、今回は少し違う方法を試してみることに。
テーブルの上を空けて、そこに花を飾ってみたんです。
すると、不思議なことに心が軽くなった気がしました。
きれいな花を見ていると、自然とテーブルの周りを整理したくなるんです。
言葉にすると簡単ですが、実際にはいろいろな葛藤や試行錯誤がありましたが、 それでも、少しずつ部屋が心地よい空間に変わっていくのを実感しました。
この経験から、空間が心に与える影響について興味を持つようになり、「空間デザイン心理学®」を学び始めるきっかけとなりました。
さらに、病院の改修時に感じた「空間が人の気持ちを変える」という実体験も、私がこの分野に深く関心を持つきっかけとなりました。
空間デザイン心理学®の学びを通じて、「心が整うお部屋スタイリスト」として、デザインやトレンドだけに頼らず、個々のライフスタイルや感情に寄り添った空間づくりを目指しています。
私が目指す「心が整うお部屋づくり」
私が大切にしているのは、ただ見た目が美しいだけではなく、その人にとって本当に心地よく、毎日を心からリラックスして過ごせるお部屋づくりです。
トレンドに沿ったデザインやスタイリッシュなインテリアも大切ですが、それ以上に、その空間に住む人の深層的なニーズを引き出し、そこに応えるコーディネートをすることが重要だと考えています。
そのために、私はまず「ヒアリング」を大切にしています。
お客様がどのようなライフスタイルを送りたいのか、どんな空間で心地よさを感じるのかを丁寧に伺いながら、デザインを提案していきます。
ただ見た目を整えるだけでなく、そこに住む人が本当にリラックスできる「パワースポット」のような空間づくりを目指しています。
今後も、空間デザイン心理学®を活かしながら、より多くの方々に「心が整うお部屋づくり」をお届けできるように、日々学び続け、発信していきたいと思っています