Step.01 お部屋美人

ミニマルにとらわれない、心地よい空間づくりの心理学

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ミニマリストの方のモノが少なくすっきりしたお部屋の写真をみて、
「自分の暮らしに合うのかな」と考えたことはありませんか?

好きなものを集め、自分らしい空間にしたい気持ちと、
スッキリとしたシンプルな暮らしに憧れる気持ち。
仕事に追われる毎日の中で、
少しでも心が安らげる「自分だけの場所」を求めるのは自然なことです。

ですが、
「ミニマリズム=正解」とは限りません。

実は、心地よい空間の定義は人それぞれ。
心理学では、人が周囲の環境に影響を受けやすいかどうかを
「スクリーナー」と「ノンスクリーナー」というタイプに分けて考えます。

あなたも、この2つのタイプを知って
自分にとって本当に心地よい空間を作ってみませんか?

ミニマリストになる前に知っておきたい、心が求める「ちょうどいい」空間

ここ数年、シンプルでスッキリとした暮らしを求める人が増え、ミニマリズムが注目を集めていますね。
確かに、モノが少ない空間は視覚的なごちゃつきがなく、心が安らぐという魅力があります!

掃除の時間も短縮され、自分の好きなことに使える時間が増えるでしょう。
また、モノを選ぶストレスから解放され、心の余裕も生まれるかもしれません。

しかし、本当に誰もがミニマリストになるべきなのでしょうか?
ミニマリズムは、まるでダイエットのように、すべての人に合う万能薬ではないように思えます。

思い出深い品や、心の支えとなるようなモノを手放すことに抵抗を感じる人もいますし、
家族構成やライフスタイル、性格によっても、必要なモノの量は異なります。

大切なのは、ミニマリズムという概念に縛られず
自分にとって「ちょうどいい」と思える暮らしを見つけることです。

例えば、服は厳選したものを長く着るけれど、本はたくさん集めたいという人もいるかもしれません。
あるいは、リビングはすっきりさせたいけれど、趣味の部屋は少し賑やかでも構わない、という人もいるでしょう。

20代までの私を知っている人も認めるほど、私は片付けが大の苦手なのですが
当時から比較すれば部屋の中はモノは少なく
常に居心地の良さを感じるお部屋になっていると自負しています。

でも、私には程よく飾ることもワクワクするお部屋には欠かせない要素なので
『なくても生活できないわけではない』アートやお気に入りのアロマオイルの瓶、好きな作家さんのポストカードを飾っています。

なので、私のお部屋を見て
モノが多いと感じる人もいると思います。
でも、私にとっては居心地のいい大切な空間です。

ミニマリズムは、あくまでも一つの選択肢です。
大切なのは、モノに振り回されることなく、自分らしい、心地のよい暮らしを送ることです。

心理学から見る「心地よい空間」

私たちの生活の質を大きく左右するのが、
私たちを取り囲む「空間」です。
部屋の広さ、照明の色、風通しや周囲の静けさなど、
空間の要素は、私たちの心身に様々な影響を与えています。※1

実は、同じ空間でも、人によって感じ方は大きく異なります。
例えば、周囲の音が気になる人や、
逆に周りの気配をあまり気にしない人もいますよね。

このような違いは、私たちが生まれつき持っている性質の一つで、
心理学では『スクリーナー』と『ノンスクリーナー』という概念で説明されています。※2

スクリーナーとノンスクリーナー

スクリーナー: 周りの環境からの刺激をあまり気にせず、自分のペースで過ごせる人のことです。例えば、カフェの騒がしい中でも集中して仕事ができるタイプが当てはまります。

ノンスクリーナー: 周りの環境の影響を受けやすく、静かな場所でないと集中できない人が多いです。

このスクリーナーとノンスクリーナーは、視覚、聴覚、触覚、それぞれに当てはまります。
例えば、視覚のスクリーナーは、カラフルな部屋でも落ち着いて過ごせることが多いですが、ノンスクリーナーは、シンプルな空間の方が心地よく感じるかもしれません。

このように、私たちはそれぞれ異なる空間の好みを持っています。
大切なのは自分のタイプを知り、自分に合った心地よさを感じる空間作りをすることです。

参考文献:
※1「住まいが性格形成に与える影響」渡辺利夫chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.jstage.jst.go.jp/article/pamjaep/38/0/38_224/_pdf
※2羽生和紀:環境心理学 第2版-人間と環境の調和のためにー,サイエンス社,2019

「飾る」を楽しむ!心地よい空間づくりのポイント

「ミニマル=心地よい」とは限らない、ということをお話してきました。
「飾る」ことは、お部屋に個性を出せるため
家に帰るたびに
『自分の部屋に帰ってきたー。』と感じる居心地の良さが心の癒しにもつながります。


ですが、ただ好きなものを飾るだけでは、ごちゃついてしまい、
視覚のスクリーナーさんであってもストレスを感じてしまうことも。

飾ることを楽しみつつ、居心地の良さも両立するためのポイントをお伝えします。

1. 素材を揃えて、統一感を出す

木製のアイテムを統一したり、同じ色合いのものを集めたりするなど、
素材を揃えることで、お部屋にまとまりが生まれます。

これにより、ごちゃついた印象を抑え、洗練された空間を作ることができます。

例えば、木製の小物やグリーンを置くことで、温かみのあるナチュラルな雰囲気に。あるいは、白やグレーなど、モノトーンで統一することで、都会的でスタイリッシュな空間に。

2. テーマを決めて、お部屋にストーリーを

「海」「レトロ」「推し」など、お部屋にしたいテーマを決めてみましょう。

テーマを決めることで、何を飾るか、どんな色を使うかなど、選ぶ基準が明確になり、
迷わずにアイテムを選ぶことができます。

例えば、「自然」をテーマにするなら、グリーンや自然素材を取り入れたり、「レトロ」をテーマにするなら、アンティーク調の家具や小物を飾ったり。

私がYouTubeで拝見したお部屋はジブリをテーマにされていて
本当に素敵だなと思いました。

余談ですが、ジブリに出てくるお部屋って結構雑多な印象が多くないですか?
私の中でモノが多いお部屋の理想形がジブリの世界で、計算された雑多感は
飾る楽しみを刺激してくれます^^

3. 主役を決めて、お部屋にメリハリを

お部屋の中で、特に目を引かせたいものを決めましょう。例えば、気に入りの絵画や観葉植物を主役にするのもおすすめです。主役を決めることで、他のアイテムとのバランスも取りやすくなり、お部屋にメリハリが生まれます。

まとめ

人によって周囲の環境に影響を受けやすいかどうかの「ノンスクリーナー」、「スクリーナー」をお伝えしましたが、それ以外にも個人によって感じ方や基準は異なります。

大切なのはミニマリズムに囚われず、自分のタイプに合った心地よい空間を作ることです。
ご自身の「ちょうどよさ」を知ることで、あなたのお部屋はさらに居心地が良い空間になります。

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